おうちでしごとするということ

脱サラ後の第2の人生で思うことの綴り

蛙又池(かえるまたいけ)

奈良市内の西部には蛙又池(かえるまたいけ)と言う風光明媚なため池がある。
近鉄菖蒲池駅の南側、歩いて数分の場所に位置する。
この池は、とてつもなく歴史的に価値のあるため池である。
築造は西暦162年とも、推古天皇の時代(607年)とも伝えられ、日本書紀にも登場する。



「我が国最古のため池」の称号は、現在、大阪の「狭山池」(616年)にある。
狭山池の年代は、発掘された遺跡を年輪年代測定で鑑定しているため精度が高い。
一方、蛙又池の年代は書物等による伝承のみであるため、少々、分が悪い。
しかしながら、蛙又池の方が最古である可能性は十分に高いのである。



ため池とは、用水確保のために水を貯えた人工の池のことを言う。では、ダムとの違いは?
農林関係では、堤高が15m未満をため池、15m以上をダムと呼んで区別している。
蛙又池の堤高はほぼ15m未満、狭山池の堤高は15m以上のようなので、
それぞれ「我が国最古のため池」と「我が国最古のダム」として共存するのが良いのでは。



蛙又池には歩道橋がかかり、橋を渡ると石段の上にあやめ池神社がある。
蛙又池のほとりには「大和文華館」があり、10月2日がリニューアル・オープンとなる。
国宝4点、重要文化財31点を含む約2,000点の美術品を収蔵する隠れた名所である。
国宝の「婦女遊楽図屏風」(松浦屏風)は往年の切手少年には馴染み深い名画である。