おうちでしごとするということ

脱サラ後の第2の人生で思うことの綴り

夕日を追う男

今日の夕日も美しかった。素晴らしい夕日を見ると、思い出すことがある。

 

20代半ばの頃、自転車で八重山諸島を走っていた。

石垣島で、同じように自転車で旅をしている一人の青年に会った。

 

少し細い体型で、私より2、3歳、年上のような感じがした。

高台の公園のベンチに座り、眼前に広がる海を見ながら、彼と話をした。

 

自転車の旅(八重山郡竹富町

 

テントを持参する彼は、毎日、午前中は自転車で移動し、昼からの半日は、

その地で一番夕日が美しく見える場所を探し求めるとのことであった。

 

そして、選びぬかれた、その特等席で、ゆっくりと夕日を眺めるそうである。

暮れなずむひとときを様々なことに思いをはせて過ごすのであろう。

 

その時、私は、午前の半日だけじゃ、たいして移動もできないし、なんと退屈な。

などと、心の中で思ったことを、今もって、鮮明に覚えている。

 

しかし、今、思うに、その彼の旅のスタイルは、なんと優雅なものであろうか。

今となっては到底まねのできない極上の旅である。

 

日々、様相を変える素晴らしい夕日が、彼の脳裏には今なお輝き続けているのだろう。

その日、1日、彼に付き合って、いっしょに夕日を見てみたかったな、と思う。

 

素晴らしい夕日を見るたびに、こんなことを思い出すのである。