ポールウェラー兄さんに会ってきた。
大阪・難波のライブ会場で。
兄さんはフレッシュに走り続けている。
私も負けないぞ。
昭和40年代、大阪。父がミニサイクルを買ってくれた。近所の友達より随分と遅かったが、小学4年で初めて自転車に乗った。年の離れた弟を乗っけて、バスを見に行くのが楽しかった。
5年生になりクラス替え。学校がつまらなくなった。お小遣いも欲しかった。授業が終わると、毎日、ミニサイクルに乗って夕刊を配達した。新聞配達を始めてからは幾分気が晴れた。
夏は暑くて大変だったが、新聞屋の奥さんがアイスを買ってくれた。数少ない楽しみだ。冬は難儀だった。その年の大阪は雪の日が多く、手が悴んできつかった。我慢を覚えた。
配達先には写真館があった。郵便受けに夕刊を差し込み、玄関横のウィンドウを見る。飾られている写真の1枚が私に元気をくれた。妹の写真、いつも微笑んでいる。
春が来て新聞配達は終わった。引っ越しすることとなり、小学校を転校した。写真館には行けなくなった。でも、妹や弟とは毎日おうちで一緒なので、特段さみしくはなかった。
このところ、学生のインターンシップの話題が耳に入ってくる。
就労体験をインターンシップと呼び、就活の一大イベントのようだ。
私にも学生時代にインターンシップの経験がある。20歳の夏だった。
場所は北海道の真ん中、新得町にある開発局の十勝ダム建設事務所。
十勝ダムの建設現場はさらに車で数十分、トムラウシの山中にある。
大雪山から流れ出る十勝川に築造されたロックフィル式の巨大ダム。
約1ヶ月の実習ではいろいろと教わり、ダムの流量計算などを行った。
ダム現場への道中には然別湖があり、オショロコマという魚を知った。
仕事が終わると焼き鳥のお店にしょっちゅう連れていってもらった。
新得の町は毎晩、にぎやかだった。皆、焼酎の番茶わりを飲んでいた。
事務所の敷地には古くて広い木造の宿舎があり、そこに寝泊りした。
週末は広い宿舎に一人。JRやバスで帯広へ出て行って遊んだ。
その後、新得に2回訪れた。1回目は自転車で。もう事務所はなかった。
2回目は電車とバス。駅前の焼き鳥屋はなかった。さびしかった。
10年前のメモが見つかった。やる気満々だったように思う。以下に記す。
大学卒業後に勤め始めたコンサルタント会社を退職して7年を経過しました。
その後、自宅をオフィスにして、やや自由気ままに働き続けています。
テレワークとも呼ばれるこの働き方は、大変私にあっていて喜んでます。
こんな状況の中、今年の正月を終えると、私も50歳を迎えることとなります。
半年ほど前から、これまでの実績、やり残し、今後の準備等を考え始めました。
50歳プロジェクトと名付けて、十数件のアクションプランを定めました。
助走期間として始めたアクションもあれば、50歳から始めるアクションもあります。
50歳まで、髪を切らず、ひげをそらず、神聖な気持ちで50歳を迎えるアクションは、
開始して3週間ほどで家族の猛反対にあい、すでに断念しました。
こんなプロジェクトも含めて十数件ですから、あまりたいしたことではないです。
50歳プロジェクトの一部を紹介いたします。(ご紹介できない案件も多い。)
1)ウェストを10cm減らして胸囲を10cm増やす。昨年の検診でウェストのメタボ基準を上回ったことから、奮起するはずです。まだ目標の1/5にも届いていないです。
2)歴史小説「徳川家康」(山岡荘八著・26巻)を読了します。父が昔、古本屋で買い集めて読んでいた小説を、私も読んでみようと思いました。学ぶことが多そうです。
3)地元についてもっと知ろうと思い、地元検定の受験を申し込みました。3階級あるため、3カ年計画で最上位資格を取得したいです。
4)一昨年、研修で民間資格「防災士」を取得しました。10個目の資格です。妻にも取得を勧め合格できました。夫婦で防災活動ができれば良いなと思案中です。
5)自転車日本1周が残すところ、あと9県となったまま停止中です。今年と来年で具体的計画を立て、2~3回に分けてまわりたいです。 以上
10年後の今、振り返ると、上記の2)のみを実現できただけでした。
1)はそこそこ達成。3)は第1ハードルで撃沈。4)は引き続き思案中。
5)は残り7県となりました。
現実は厳しいですね。
さて、60歳になって、どのような人生が始まるのか、新たな目標を考えます。
七夕の夜、短冊に願い事を書く。
願う事が、叶う事の初動であり、
字にして書けばまず達成される。
こんな事は早く教えて欲しかったな。
今日の夕日も美しかった。素晴らしい夕日を見ると、思い出すことがある。
20代半ばの頃、自転車で八重山諸島を走っていた。
石垣島で、同じように自転車で旅をしている一人の青年に会った。
少し細い体型で、私より2、3歳、年上のような感じがした。
高台の公園のベンチに座り、眼前に広がる海を見ながら、彼と話をした。
テントを持参する彼は、毎日、午前中は自転車で移動し、昼からの半日は、
その地で一番夕日が美しく見える場所を探し求めるとのことであった。
そして、選びぬかれた、その特等席で、ゆっくりと夕日を眺めるそうである。
暮れなずむひとときを様々なことに思いをはせて過ごすのであろう。
その時、私は、午前の半日だけじゃ、たいして移動もできないし、なんと退屈な。
などと、心の中で思ったことを、今もって、鮮明に覚えている。
しかし、今、思うに、その彼の旅のスタイルは、なんと優雅なものであろうか。
今となっては到底まねのできない極上の旅である。
日々、様相を変える素晴らしい夕日が、彼の脳裏には今なお輝き続けているのだろう。
その日、1日、彼に付き合って、いっしょに夕日を見てみたかったな、と思う。
素晴らしい夕日を見るたびに、こんなことを思い出すのである。